2017-05-19

紙工展 vol.1

身近な存在としていつも目の届く場所にあり、ほぼ365日毎日触っている紙。
頑丈にも朧弱にもなり時間の経過によって風合いを変える紙。
ノート、便箋、封筒、梱包や張子に触れ、匂いを嗅ぎ
いつしか紙でつくられたものが気になりだしました。

そんな紙に対する愛情や情熱が感じられるものづくりをしている方達がいます。

まるで錬金術みたいに紙の質感を変えてしまう京都のラガード研究所さん。
細部にまで哲学のある美しい造形物をつくりだす大分の山香デザイン室さん。
あっと驚くような発想や手法で見た事無いようなものを生み出す東京のIONIO&ETNAさん。

彼らの作り出す自由で素朴(または奇抜)な紙の美しさや可能性を「紙工展」という形で
皆様にお届けできたらと思います。

紙工展 vol.1 どうぞお楽しみにくださいませ。

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紙工展 vol.1

2017年5月19日(金)〜27日(土)会期中無休
13:00〜21:00

出展

ラガード研究所(京都)

IONIO&ETNA(東京)

山香デザイン室(大分)

2017-04-14

ライブ「Radio Tür」

ベルリンの文具店sowaleの只松靖浩さんの帰国に合わせて音楽と朗読のユニット「Tür(テューア)」のライブ、そして詩の即興書記「詩の自動販売機」を行います。

Türは昨年11月にsowaleのカレンダー展「Twelve letters」のライブで結成されたよるsowaleの只松さん、音楽家の西村周平さん、そして清水藍子さんによるユニットです。

美しい音楽と2人の語り手によって紡がれる不思議な世界は、まるで小さい舞台のようです。今回の演目はあるラジオ番組とそれにまつわる物語、是非ライブでそうぞ。


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ライブ「Radio Tür」

Radio Türとは
ある街にやってきた1人の男性と
街の小さな出来事だけを
伝えるラジオ”Radio Tür”を営む1人の女性が
少しずつ、ゆっくりと
寄り添っていく物語。

語り:清水藍子、只松靖浩
音楽:西村周平
チケット:税込2,500円(会場により1drinkあり)
ご予約はoffice@sowale.netもしくは各会場までご連絡ください。

スケジュール
4/14(金) toori 福岡市早良区城西2-13-27 開場19:00 開演19:30
4/15(土) ロバの本屋 山口県長門市俵山6994開場17:00 開演17:30
4/16(日) MINOU BOOKS&CAFE うきは市吉井町1137 開場19:00 開演19:30
4/21(金) アトリエ穂音 福岡市博多区上川端9-35-A31 開場19:00 開演19:30
4/22(土) カフェアターブル 北九州市戸畑区天籟寺1-4-12 開場19:00 開演19:30
4/23(日) Hacocafe 福岡市東区箱崎3-10-5-205 開場19:00 開演19:30
※4/15(土)ロバの本屋のみ開場、開演時間が異なりますのでご注意下さい。

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只松靖浩「詩の自動販売機」

お申し込みされた方にその場で只松靖浩さんがあなたの詩を綴ります。

4/20(木)は13:00-18:00
4/23(日)は13:00-16:00

ご予約はoffice@sowale.netまで

2016-12-16

ムツロマサコ モビール展

きっと待っていた方も多いかと思いますが、ひさびさのムツロマサコさんの個展です。
普段からオリジナルのアイテムやグループ展でお世話になりっぱなしのムツロさんですが
単独の企画展は実に2013年の「OHACO展」以来と3年ぶりとなっております。

タイトルの黒い森はとある国立公園の名称から来ているらしく
原生林や多くの生物の営みのある場所で自然保護区に指定されているそうです。
展示会では森に住む生き物達のように佇むモビールと
ムツロマサコさんの作品がやってきます

そして最終日4日はまるやまももこによるライブを開催します。
前回のムツロさんのモビール展でも参加していただいたのトーリで歌っていただくのはそれ以来となっています。
ムツロさんのモビールのゆれる空間でまるやまさんの歌声をお楽しみくださいませ。

ムツロマサコ モビール展
「KURO I MORI」
2016年11/25金〜12/4日
13:00〜21:00
月曜定休/最終日17:00まで

きっと待っていた方も多いかと思いますが、ひさびさのムツロマサコさんの個展です。
普段からオリジナルのアイテムやグループ展でお世話になりっぱなしのムツロさんですが
単独の企画展は実に2013年の「OHACO展」以来と3年ぶりとなっております。

タイトルの黒い森はとある国立公園の名称から来ているらしく
原生林や多くの生物の営みのある場所で自然保護区に指定されているそうです。
展示会では森に住む生き物達のように佇むモビールと
ムツロマサコさんの作品がやってきます

そして最終日4日はまるやまももこによるライブを開催します。
前回のムツロさんのモビール展でも参加していただいたのトーリで歌っていただくのはそれ以来となっています。
ムツロさんのモビールのゆれる空間でまるやまさんの歌声をお楽しみくださいませ。

ムツロマサコ モビール展
「KURO I MORI」
2016年11/25金〜12/4日
13:00〜21:00
月曜定休/最終日17:00まで

きっと待っていた方も多いかと思いますが、ひさびさのムツロマサコさんの個展です。
普段からオリジナルのアイテムやグループ展でお世話になりっぱなしのムツロさんですが
単独の企画展は実に2013年の「OHACO展」以来と3年ぶりとなっております。

タイトルの黒い森はとある国立公園の名称から来ているらしく
原生林や多くの生物の営みのある場所で自然保護区に指定されているそうです。
展示会では森に住む生き物達のように佇むモビールと
ムツロマサコさんの作品がやってきます

そして最終日4日はまるやまももこによるライブを開催します。
前回のムツロさんのモビール展でも参加していただいたのトーリで歌っていただくのはそれ以来となっています。
ムツロさんのモビールのゆれる空間でまるやまさんの歌声をお楽しみくださいませ。

ムツロマサコ モビール展
「KURO I MORI」
2016年11/25金〜12/4日
13:00〜21:00
月曜定休/最終日17:00まで

12月4日
まるやまももこLIVE
19:00open 19:30start
¥2,000+1drink
予約は
kissa.tori@gmail.com
tooriまで


あとがき

なんだかんだでもう年末、12月も後半です。
やり残した事はそのままに、もう来年のこととか考えているので
諦めも大事だということでもうしめ縄のこととか考えたりしています。
西新商店街には今では珍しく(?)リヤカーで行商にくる一団があり、僕は毎年彼女達からしめ縄を買っています。

今年の締めくくりはムツロマサコさんのモビール展でした。
有り難い事に、お店を始めた当初からお付き合いいただいて今回で個展3回目となりました。
ムツロさんとは毎度、展示会の前はてんやわんやで着地点も定まらぬまま当日を迎えるのですが、
最終的にはカチッと収まりスッキリした気持で展示会当日を迎える事ができるので
きっと相性がというか波長が合うのだと勝手に思っています。
ムツロさんがいなかったら全く違った場所になっていたことでしょう。
そう思うとぞわぞわします。しかし時は流れました。

展示会の黒い森というテーマは、親交のあるソワレさん夫婦の住むドイツのブラックフォレスとという森がイメージとしてあったようですが、フタをみると黒は黒なのですがそれは完全にムツロマサコの森でした。
山あり、馬あり☆ありの想像力豊かなモビールの黒い森はドイツ、シュヴァルトヴァルトではなくここに存在しました。
4年前にムツロさんのモビールの展示と比べてもかなり内容も変化してまさに新しい世界をみせてくれたように思います。
2016年の締めくくりがこの展示で良かったと思えるような、会場側としてもとても楽しい展示でした。

どうか手に取った方々が新しいそれぞれの場所の空気でゆったりと揺れ、目を楽しませてくれる事を願っています。企画展「黒い森」訪れていただいた皆様、良いお年を。

2016-10-30

Exhibition “TWELVE LETTERS”

ソワレの只松さんは少しかわった人物かもしれません、
変わっていると言うとすごく変な人を想像するかもしれませんが、
実際はとても真面目で気が効いているし、話も面白い。
仕事は丁寧で常に先を見て行動しているみたいなところがあります。

がしかし、やはり少し変わっているような気がするのは
人とは違うところをみている只松さんだけの視点にある気がします。
彼が見ているのは僕らが目を向けているマウンドからからかなり外れた
外野席のおじさんが着るセーターの柄だったり、
高速道路を走るトラックの側面のキャラクターだったりして、とにかく独特です。

そんな視点を面白く感じ、やはりその目線を追いたくなる自分は
彼の書く物語を楽しみにしているファンの一人でもあります。

2016年始めよりドイツ・ベルリンに移り新店舗を始めた文具屋sowaleが、
少しだけ福岡に帰ってきます。
本展示会「TWELVE LETTERS」では新商品の2017年のカレンダーの販売に加えて、
ソワレのオリジナル商品、ドイツの文具も販売する予定です。

会期中の10/9には音楽と朗読 “TWELVE LETTERS”
10/8と12には只松靖浩による“詩の自動販売機”
を予定しています。

sowaleがベルリンで見つけたものを見て来たものを届けてくれるような展示になると思います。
どうぞお楽しみに。

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Exhibition “TWELVE LETTERS”

日時: 2016/10/4(火)- 10/12(水)13:00-21:00 ※10/10休
会場: toori 福岡市早良区城西2-13-27
期間中はsowale店主が在店いたします。
(Click!) 

Event1 音楽と朗読 “TWELVE LETTERS”
福岡と東京の5会場で開催いたします。
朗読: 只松靖浩 清水藍子(福岡)岡安圭子(東京)
音楽: 西村周平
時間: 開場 19:00/開演 19:30
料金: ¥2500(会場により+1drink order)
予約: sowale/office@sowale.net

日時/会場:
10/9 (日)toori 福岡市早良区城西2-13-27
10/14(金)アトリエ穂音 福岡市博多区上川端9-35 A31 ゲスト/絵:比佐水音
10/15(土)café à table 北九州市戸畑区天籟寺1-4-12
10/16(日)Haco café 福岡市東区箱崎3-10-5-205
10/22(土)23(日)アトリエ・ハコ 東京都杉並区西荻南3-8-19 ヤマイチビル3F

Event2 只松靖浩 詩の自動販売機
あなただけの詩を綴ります。
日時: 10/8(土)10/12(水)19:00-21:00
会場: toori  福岡市早良区城西2-13-27
料金: ¥1000+1drink order
予約: sowale/office@sowale.net

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TWELVE LETTERS あとがき

最後にドアを閉じられてどのくらい月日を重ねただろうか
今ではもう使われていないその部屋は家具も景色もあの時のままだった。

白い壁に淡い紫で縁取られてた窓枠からは柔らかな日がさし
窓を開ければあのころと同じように街の香りを孕んだ風を呼び込む事ができる。
窓際の机にのこされた便箋の上にはオレンジ色のボールペンが一本、
ひとさし指と親指でもちあげると窓からの光にてらされた埃が
小魚の群れのように空中を舞った。

最後に二人にあったのは商店街に冬の間だけ出店する大学芋屋だった。
芋屋あなどるなかれ、なかなかの人気でちょっとした列が出来ている。
最後尾に立つとふいに後ろから声をかけられ、振り返ると二人の顔。
まだ本格的に寒くなる前だというのにしっかりとダウンジャケットを着込み、
それぞれ薄紫色の袋をもっていた。
近々、遠くに引っ越すことになったので、餞別を渡したいが
予想せずここで出会ったものだから、いま手元にこれしかない。
と、いって渡されたのは古い外国の地図だった。
その後世間話や無邪気な冗談が続き、
結局、なぜこれを手元にもっていたのか、引っ越し先と関係があるのか?
という質問は会話にあがらないまま大学芋を買う順番がまわってきて、
じゃあ、と二人に別れを告げた。

大学芋を片手に自分の部屋に戻りしばらく地図を広げてみていたが
聞いた事もない地名ばかりで国を想像する事も困難だった。
やがて飽きて机の引き出しにしまい込み、
ついに数年後の今日まで思い出す事は無かった。

きっかけはなんだったろうか、天気のせいかもしれない。
なかなか暑さがひかなかった夏がようやく終わり、
10月を残すところあと数日にしてようやく訪れた秋の空には
どこまでも途切れずに飛行機雲が続いている。
家に帰ろうとぼんやりしていたら最寄りの駅を乗り過ごし隣の区まで来てしまった。
どうせ家に帰ろうと予定もないと、気まぐれで降りた駅から
記憶を辿り彼らの過ごしていたアパートを探す。

かつて学生街だったこの街は、大学の校舎が移転となり今では人通りもまばらだが
それでも古くからの商店は今も軒に明かりを灯している。

信号をわたり、目印の中華料理屋の隣に今もしっかりとあのアパートは存在していた。

階段を上り、三番目の扉を前にし迷う事なくドアノブに手をかけたそのとき
誰かに声をかけられた気がして振り向くと、表札がわりの鯨の形をしたオブジェと目があった。
「やあひさしぶり。」

瞼の奥に広がる知らない街の景色。

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以上はフィクションです。好きです大学芋。
遅ればせながらsowaleの企画展、TWELVE LETTERS終了いたしました。

ハイライトはなんと言っても12の物語が添えられたカレンダーの朗読会だったように思います。
只松さんと清水さんの掛け合いと西村さんの音楽が混じり合い、
良い意味での緊張感がある素晴らしいライブでした。

sowaleは今年頭に福岡からベルリンに移転になりましたが
こういう形で繋がることが出来てとても嬉しく思っています。
遠くは離れたようでいて、より近い場所にいるような感じさえあるので人間の心は不思議ですね。
じゃあ、またねと言ってと福岡を去った只松さんとは、
近所で散歩しているとばったり出会ってしまいそうでもあり、
ひょうひょうとしていつも先の楽しいことを考えながら、今を楽しむ只松さんの行動には
目が離せそうにありません。
今後もこんな楽しい日々が続きますように。

お越し下さった皆様、sowaleの只松さん、
詩の朗読会で参加していただいた西村周平さん、清水藍子さんに心より感謝申し上げます。

2016-07-30

she see sea at uta no tane

先日tooriで開催された「she see sea」がいよいよ徳島のutanotaneさんで開催されます。
巡回展は今回が初で打ち合わせに打ち合わせを重ねた企画が、
遠く離れた(実はそう遠くないのですが)徳島で開催されることに新鮮さと不思議な感覚を覚えています。

tanotaneの森さんとは、
好きな作家さんが同じだったり共通知り合いが多かったりとか
いろいろな偶然や見ているものが同じだったりとさまざまな共通点を感じています。
なにより彼女のやり方や行動力に魅力を感じたのが、
きっと僕らにこの企画の根本にあるのではとおもっています。

海を見て、海をこえたイケダユーコさん、イワサトミキさん、ムツロマサコさんの物語が
どんな形になるのでしょうか。
僕らも期間中に徳島にお邪魔させて頂く予定です。

お近くの方、旅行で徳島に向かう皆様、是非お立ち寄りくださいませ。

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「she see sea」出版記念企画展
at uta no tane
(Click!) 
2016年7月30日(土)〜8月14日(土)
営業時間 | 13:00 – 18:00
期間中の店休日 | 8/4(木)、8/5(金)、8/11(木)、8/12(金)
作家在廊日 | 8/6(土)(イケダユーコさんは8/7も在廊予定)

2016-05-14

she see sea

ー she see sea
ー 彼女は 海を みている

ムツロマサコさん、イケダユーコさん、イワサトミキさんの3人による海をテーマにしたアートブック「she see sea」の出版記念企画展を開催します。

本展示は徳島のutanotaneさんとの初の合同企画展になります。
四国に済むイワサトさん、大阪のイケダさん、そして福岡のムツロさん、
3つの街をつなぐものとして海がテーマに決まったことは
とても自然なことだったように思っています。

静かでいて力強く、ときに深い3人の描く海。
6月末、梅雨のまっただ中ですが
海を臨みたくなるような展示になると思います。

記念企画展では原画展示の他、オリジナルアイテムも販売予定です。
お楽しみにどうぞ。

「she see sea」
福岡 toori
6月24日(金)〜7月3日(日)
※27日(月)は定休日 13:00〜21:00

徳島 utanotane
7月30日(土)〜8月14日(土)
期間中は※木、金曜休み

she see sea あとがき

実はいつだったかよく覚えていないのですが
uta no taneの森さんが「いつか一緒になにかしたいね」といってくれたことが
この企画展が動き出したきっかけだったように思います。
好きな作家さんが共通の知り合いだったことや、
個人の出版物に興味があることなど、
いくつか幸運な事柄が重なってこの企画を実現する事ができました。

なによりイワサトミキさん、イケダユーコさん、ムツロマサコさんのおかげで
四国、関西、九州という海を隔てた3つの街でがとても身近に感じるような
そんな時間を過ごさせてもらった事にとても感謝しています。

この展示は巡回展として、
7月30日より徳島のutanotaneさんに繋がっていきます。
店主森さんの強い気持ちと素晴らしい感覚のある、とても良い風の通る場所です。
港から近い場所にあるので海をより近くに感じれるかも知れません。
四国、関西にお住まいの方は是非足を運んで
彼女達の海に思いを巡らせていただいたら幸いです。

2016-02-11

岐阜の三人展

街の大きさとか山の多いあたりとか
僕の育った街に共通点をうすらぼんやりと感じて
何となく気になる県、岐阜。

去年の五月に初夏の空をLCCでひとっ飛び行って参りました。
岐阜市と多治見に訪れたのですが、
感想としては山が近く人が親切でホテルが安く、そして良い銭湯のある街。
目的は作家さんのアトリエ訪問なのですが
モーニングを食べ、鵜飼いをみて大仏を見学すると
すっかり岐阜が大好きになってお土産を買い岐路についたのです。

好きな器の定義としてぱっと思いついたのが
こざっぱりとしていて味わいがあり
料理や飲み物を手のひらで包むようなそんな器です。
作ったかたのキュートさが感じれればなおよし。

我ながら抽象的で偏った好みであるのですが
その条件をかなりの割合で満たすのが
今回、展示会をして頂く岐阜の三人でした。

沖澤さんのガラスの瀟洒で美しいゆらぎ。
柔らかさのなかにモダンな感覚のある田中さんの器。
林さんのつくりだす力強さと繊細さがせめぎ合うかたち。

たまたまなのか、それとも縁があるのか
岐阜という場所で作品を生み出す三人の作品を
この機会に楽しんで頂ければ幸いです。

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岐阜の三人展
2016年 2/11(木)〜21(日)
※2月15日はお休みします。
13:00〜21:00

沖澤康平 ガラス
林志保 陶器
田中直純 陶器


2016-01-01

年に二回、同じ路線でて実家の鳥取県に帰省します。
たいていこの季節は雪が降っていて山も家も白い雪に包まれているのですが、
今年は暖冬で降雪はなく車窓からの景色は葉の落ちた木や、朽ちた家々が目立ち
山陰の集落を眺めながら行く年末の景色はなんとも言えない寂しさがありますが、
それでも山々から立ち上る湯気は幻想的で、
あいまあいまに見える海の表情は柔らかです。

年末近くに出会ったパリに住む方に向こうの国での暮らしを聞いてみたところ
「いろんな人がいる、一見ドライなようにみえるかもしれないけど、
それぞれが事情をもっていてそれを抱えながら暮らしている」
という答えが帰ってきました。

今年は友達が引っ越したり、お店を閉めたりで少し距離ができるようなことが多かったような気がします。
いろんな事情があり、それを外にだしたり抱えたりしながら暮らしていながらも
どこかで人達がつながっていられるのは、大切にしたい記憶や思いがあるからでしょう。
携帯電話がなくても出した手紙が返ってきても、僕らはゆるくつながり束ねられている。
そう思えるように暮らしていきたいと思います。

そしらぬ顔で猫がストーブの前で丸くなり、
窓から染み出してくるような冷気が膝にくる。
実家から送られてきた餅を焼きながら新しい一年の夢を見たいと思います。

今年も宜しくお願いいたします。

0217-06-30

どこか可笑しくなる奔放なオブジェをつくったかと思うと、
祭器のような厳やかな雰囲気をもった形をつくる。
林志保さんは、そんな相反する面を持ちつつも
曖昧さのないものづくりをする希有な人です。
黒い作品のもつたくさましさ
白い作品のもつ繊細さ
どちらも唯一無二の存在感をもつ
自身の分身のように思います。
当店での展示は2016年の「岐阜の3人展」から
二度目となります。
まるで生き物のように進化し、変わり続ける
林さんの現在の作品をお楽しみください。

林志保 陶展
2017年6月30日(金)〜7月9日(日)
13:00〜20:00