年に二回、同じ路線でて実家の鳥取県に帰省します。
たいていこの季節は雪が降っていて山も家も白い雪に包まれているのですが、
今年は暖冬で降雪はなく車窓からの景色は葉の落ちた木や、朽ちた家々が目立ち
山陰の集落を眺めながら行く年末の景色はなんとも言えない寂しさがありますが、
それでも山々から立ち上る湯気は幻想的で、
あいまあいまに見える海の表情は柔らかです。
年末近くに出会ったパリに住む方に向こうの国での暮らしを聞いてみたところ
「いろんな人がいる、一見ドライなようにみえるかもしれないけど、
それぞれが事情をもっていてそれを抱えながら暮らしている」
という答えが帰ってきました。
今年は友達が引っ越したり、お店を閉めたりで少し距離ができるようなことが多かったような気がします。
いろんな事情があり、それを外にだしたり抱えたりしながら暮らしていながらも
どこかで人達がつながっていられるのは、大切にしたい記憶や思いがあるからでしょう。
携帯電話がなくても出した手紙が返ってきても、僕らはゆるくつながり束ねられている。
そう思えるように暮らしていきたいと思います。
そしらぬ顔で猫がストーブの前で丸くなり、
窓から染み出してくるような冷気が膝にくる。
実家から送られてきた餅を焼きながら新しい一年の夢を見たいと思います。
今年も宜しくお願いいたします。