2016-10-30

Exhibition “TWELVE LETTERS”

ソワレの只松さんは少しかわった人物かもしれません、
変わっていると言うとすごく変な人を想像するかもしれませんが、
実際はとても真面目で気が効いているし、話も面白い。
仕事は丁寧で常に先を見て行動しているみたいなところがあります。

がしかし、やはり少し変わっているような気がするのは
人とは違うところをみている只松さんだけの視点にある気がします。
彼が見ているのは僕らが目を向けているマウンドからからかなり外れた
外野席のおじさんが着るセーターの柄だったり、
高速道路を走るトラックの側面のキャラクターだったりして、とにかく独特です。

そんな視点を面白く感じ、やはりその目線を追いたくなる自分は
彼の書く物語を楽しみにしているファンの一人でもあります。

2016年始めよりドイツ・ベルリンに移り新店舗を始めた文具屋sowaleが、
少しだけ福岡に帰ってきます。
本展示会「TWELVE LETTERS」では新商品の2017年のカレンダーの販売に加えて、
ソワレのオリジナル商品、ドイツの文具も販売する予定です。

会期中の10/9には音楽と朗読 “TWELVE LETTERS”
10/8と12には只松靖浩による“詩の自動販売機”
を予定しています。

sowaleがベルリンで見つけたものを見て来たものを届けてくれるような展示になると思います。
どうぞお楽しみに。

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Exhibition “TWELVE LETTERS”

日時: 2016/10/4(火)- 10/12(水)13:00-21:00 ※10/10休
会場: toori 福岡市早良区城西2-13-27
期間中はsowale店主が在店いたします。
(Click!) 

Event1 音楽と朗読 “TWELVE LETTERS”
福岡と東京の5会場で開催いたします。
朗読: 只松靖浩 清水藍子(福岡)岡安圭子(東京)
音楽: 西村周平
時間: 開場 19:00/開演 19:30
料金: ¥2500(会場により+1drink order)
予約: sowale/office@sowale.net

日時/会場:
10/9 (日)toori 福岡市早良区城西2-13-27
10/14(金)アトリエ穂音 福岡市博多区上川端9-35 A31 ゲスト/絵:比佐水音
10/15(土)café à table 北九州市戸畑区天籟寺1-4-12
10/16(日)Haco café 福岡市東区箱崎3-10-5-205
10/22(土)23(日)アトリエ・ハコ 東京都杉並区西荻南3-8-19 ヤマイチビル3F

Event2 只松靖浩 詩の自動販売機
あなただけの詩を綴ります。
日時: 10/8(土)10/12(水)19:00-21:00
会場: toori  福岡市早良区城西2-13-27
料金: ¥1000+1drink order
予約: sowale/office@sowale.net

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TWELVE LETTERS あとがき

最後にドアを閉じられてどのくらい月日を重ねただろうか
今ではもう使われていないその部屋は家具も景色もあの時のままだった。

白い壁に淡い紫で縁取られてた窓枠からは柔らかな日がさし
窓を開ければあのころと同じように街の香りを孕んだ風を呼び込む事ができる。
窓際の机にのこされた便箋の上にはオレンジ色のボールペンが一本、
ひとさし指と親指でもちあげると窓からの光にてらされた埃が
小魚の群れのように空中を舞った。

最後に二人にあったのは商店街に冬の間だけ出店する大学芋屋だった。
芋屋あなどるなかれ、なかなかの人気でちょっとした列が出来ている。
最後尾に立つとふいに後ろから声をかけられ、振り返ると二人の顔。
まだ本格的に寒くなる前だというのにしっかりとダウンジャケットを着込み、
それぞれ薄紫色の袋をもっていた。
近々、遠くに引っ越すことになったので、餞別を渡したいが
予想せずここで出会ったものだから、いま手元にこれしかない。
と、いって渡されたのは古い外国の地図だった。
その後世間話や無邪気な冗談が続き、
結局、なぜこれを手元にもっていたのか、引っ越し先と関係があるのか?
という質問は会話にあがらないまま大学芋を買う順番がまわってきて、
じゃあ、と二人に別れを告げた。

大学芋を片手に自分の部屋に戻りしばらく地図を広げてみていたが
聞いた事もない地名ばかりで国を想像する事も困難だった。
やがて飽きて机の引き出しにしまい込み、
ついに数年後の今日まで思い出す事は無かった。

きっかけはなんだったろうか、天気のせいかもしれない。
なかなか暑さがひかなかった夏がようやく終わり、
10月を残すところあと数日にしてようやく訪れた秋の空には
どこまでも途切れずに飛行機雲が続いている。
家に帰ろうとぼんやりしていたら最寄りの駅を乗り過ごし隣の区まで来てしまった。
どうせ家に帰ろうと予定もないと、気まぐれで降りた駅から
記憶を辿り彼らの過ごしていたアパートを探す。

かつて学生街だったこの街は、大学の校舎が移転となり今では人通りもまばらだが
それでも古くからの商店は今も軒に明かりを灯している。

信号をわたり、目印の中華料理屋の隣に今もしっかりとあのアパートは存在していた。

階段を上り、三番目の扉を前にし迷う事なくドアノブに手をかけたそのとき
誰かに声をかけられた気がして振り向くと、表札がわりの鯨の形をしたオブジェと目があった。
「やあひさしぶり。」

瞼の奥に広がる知らない街の景色。

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以上はフィクションです。好きです大学芋。
遅ればせながらsowaleの企画展、TWELVE LETTERS終了いたしました。

ハイライトはなんと言っても12の物語が添えられたカレンダーの朗読会だったように思います。
只松さんと清水さんの掛け合いと西村さんの音楽が混じり合い、
良い意味での緊張感がある素晴らしいライブでした。

sowaleは今年頭に福岡からベルリンに移転になりましたが
こういう形で繋がることが出来てとても嬉しく思っています。
遠くは離れたようでいて、より近い場所にいるような感じさえあるので人間の心は不思議ですね。
じゃあ、またねと言ってと福岡を去った只松さんとは、
近所で散歩しているとばったり出会ってしまいそうでもあり、
ひょうひょうとしていつも先の楽しいことを考えながら、今を楽しむ只松さんの行動には
目が離せそうにありません。
今後もこんな楽しい日々が続きますように。

お越し下さった皆様、sowaleの只松さん、
詩の朗読会で参加していただいた西村周平さん、清水藍子さんに心より感謝申し上げます。

2016-07-30

she see sea at uta no tane

先日tooriで開催された「she see sea」がいよいよ徳島のutanotaneさんで開催されます。
巡回展は今回が初で打ち合わせに打ち合わせを重ねた企画が、
遠く離れた(実はそう遠くないのですが)徳島で開催されることに新鮮さと不思議な感覚を覚えています。

tanotaneの森さんとは、
好きな作家さんが同じだったり共通知り合いが多かったりとか
いろいろな偶然や見ているものが同じだったりとさまざまな共通点を感じています。
なにより彼女のやり方や行動力に魅力を感じたのが、
きっと僕らにこの企画の根本にあるのではとおもっています。

海を見て、海をこえたイケダユーコさん、イワサトミキさん、ムツロマサコさんの物語が
どんな形になるのでしょうか。
僕らも期間中に徳島にお邪魔させて頂く予定です。

お近くの方、旅行で徳島に向かう皆様、是非お立ち寄りくださいませ。

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「she see sea」出版記念企画展
at uta no tane
(Click!) 
2016年7月30日(土)〜8月14日(土)
営業時間 | 13:00 – 18:00
期間中の店休日 | 8/4(木)、8/5(金)、8/11(木)、8/12(金)
作家在廊日 | 8/6(土)(イケダユーコさんは8/7も在廊予定)

2016-05-14

she see sea

ー she see sea
ー 彼女は 海を みている

ムツロマサコさん、イケダユーコさん、イワサトミキさんの3人による海をテーマにしたアートブック「she see sea」の出版記念企画展を開催します。

本展示は徳島のutanotaneさんとの初の合同企画展になります。
四国に済むイワサトさん、大阪のイケダさん、そして福岡のムツロさん、
3つの街をつなぐものとして海がテーマに決まったことは
とても自然なことだったように思っています。

静かでいて力強く、ときに深い3人の描く海。
6月末、梅雨のまっただ中ですが
海を臨みたくなるような展示になると思います。

記念企画展では原画展示の他、オリジナルアイテムも販売予定です。
お楽しみにどうぞ。

「she see sea」
福岡 toori
6月24日(金)〜7月3日(日)
※27日(月)は定休日 13:00〜21:00

徳島 utanotane
7月30日(土)〜8月14日(土)
期間中は※木、金曜休み

she see sea あとがき

実はいつだったかよく覚えていないのですが
uta no taneの森さんが「いつか一緒になにかしたいね」といってくれたことが
この企画展が動き出したきっかけだったように思います。
好きな作家さんが共通の知り合いだったことや、
個人の出版物に興味があることなど、
いくつか幸運な事柄が重なってこの企画を実現する事ができました。

なによりイワサトミキさん、イケダユーコさん、ムツロマサコさんのおかげで
四国、関西、九州という海を隔てた3つの街でがとても身近に感じるような
そんな時間を過ごさせてもらった事にとても感謝しています。

この展示は巡回展として、
7月30日より徳島のutanotaneさんに繋がっていきます。
店主森さんの強い気持ちと素晴らしい感覚のある、とても良い風の通る場所です。
港から近い場所にあるので海をより近くに感じれるかも知れません。
四国、関西にお住まいの方は是非足を運んで
彼女達の海に思いを巡らせていただいたら幸いです。

2016-02-11

岐阜の三人展

街の大きさとか山の多いあたりとか
僕の育った街に共通点をうすらぼんやりと感じて
何となく気になる県、岐阜。

去年の五月に初夏の空をLCCでひとっ飛び行って参りました。
岐阜市と多治見に訪れたのですが、
感想としては山が近く人が親切でホテルが安く、そして良い銭湯のある街。
目的は作家さんのアトリエ訪問なのですが
モーニングを食べ、鵜飼いをみて大仏を見学すると
すっかり岐阜が大好きになってお土産を買い岐路についたのです。

好きな器の定義としてぱっと思いついたのが
こざっぱりとしていて味わいがあり
料理や飲み物を手のひらで包むようなそんな器です。
作ったかたのキュートさが感じれればなおよし。

我ながら抽象的で偏った好みであるのですが
その条件をかなりの割合で満たすのが
今回、展示会をして頂く岐阜の三人でした。

沖澤さんのガラスの瀟洒で美しいゆらぎ。
柔らかさのなかにモダンな感覚のある田中さんの器。
林さんのつくりだす力強さと繊細さがせめぎ合うかたち。

たまたまなのか、それとも縁があるのか
岐阜という場所で作品を生み出す三人の作品を
この機会に楽しんで頂ければ幸いです。

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岐阜の三人展
2016年 2/11(木)〜21(日)
※2月15日はお休みします。
13:00〜21:00

沖澤康平 ガラス
林志保 陶器
田中直純 陶器


2016-01-01

年に二回、同じ路線でて実家の鳥取県に帰省します。
たいていこの季節は雪が降っていて山も家も白い雪に包まれているのですが、
今年は暖冬で降雪はなく車窓からの景色は葉の落ちた木や、朽ちた家々が目立ち
山陰の集落を眺めながら行く年末の景色はなんとも言えない寂しさがありますが、
それでも山々から立ち上る湯気は幻想的で、
あいまあいまに見える海の表情は柔らかです。

年末近くに出会ったパリに住む方に向こうの国での暮らしを聞いてみたところ
「いろんな人がいる、一見ドライなようにみえるかもしれないけど、
それぞれが事情をもっていてそれを抱えながら暮らしている」
という答えが帰ってきました。

今年は友達が引っ越したり、お店を閉めたりで少し距離ができるようなことが多かったような気がします。
いろんな事情があり、それを外にだしたり抱えたりしながら暮らしていながらも
どこかで人達がつながっていられるのは、大切にしたい記憶や思いがあるからでしょう。
携帯電話がなくても出した手紙が返ってきても、僕らはゆるくつながり束ねられている。
そう思えるように暮らしていきたいと思います。

そしらぬ顔で猫がストーブの前で丸くなり、
窓から染み出してくるような冷気が膝にくる。
実家から送られてきた餅を焼きながら新しい一年の夢を見たいと思います。

今年も宜しくお願いいたします。

0217-06-30

どこか可笑しくなる奔放なオブジェをつくったかと思うと、
祭器のような厳やかな雰囲気をもった形をつくる。
林志保さんは、そんな相反する面を持ちつつも
曖昧さのないものづくりをする希有な人です。
黒い作品のもつたくさましさ
白い作品のもつ繊細さ
どちらも唯一無二の存在感をもつ
自身の分身のように思います。
当店での展示は2016年の「岐阜の3人展」から
二度目となります。
まるで生き物のように進化し、変わり続ける
林さんの現在の作品をお楽しみください。

林志保 陶展
2017年6月30日(金)〜7月9日(日)
13:00〜20:00